生活習慣病は、その原因が「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など」の生活習慣によって引き起こされる病気のことで、糖尿病、高血圧など様々な病気が含まれます。この中で、糖尿病・高血圧・脂質異常症に肥満が加わって生じるメタボリック症候群は、別名「死の四重奏」とも呼ばれ、放置した場合には重い心臓疾患や脳卒中にかかる率が高くなります。
病気を発症させたり、その進行に影響を及ぼす生活習慣とは、
この6つが生活習慣病を発症させ進行させていく大きな要因です。
生活習慣病を予防するためには、いままでの生活をチェックし、悪いところを改善していく努力が必要です。
当クリニックでは、患者さんとともにライフスタイルを見直し、よりよい生活習慣をつくるお手伝いをさせていただきます。足りない部分はお薬で補う必要がありますが、副作用や薬の特徴を考えて適切な薬を処方させていただきます。
血圧が高いとなぜいけないのでしょうか?
高血圧は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心臓病あるいは腎臓病と深く関連します。自覚症状がほとんどないことから、長期間高血圧を放置しておくと、生命に関わる重大な病気に発展することが知られています。
高血圧の分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 |
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至適血圧 | <120 かつ <80 | |
正常血圧 | <130 かつ <85 | |
正常高値血圧 | 130〜139 または 85〜89 | |
高血圧 | 140以上 または 90以上 |
140/90を超えたからといってすぐに薬を飲む必要はありません。まずは生活習慣の改善(食生活の改善・運動など)から取り組んでみましょう。
中心血圧をご存知ですか?
心臓近くの大動脈にかかる血圧の事です。みなさんは普段、血圧を腕で測定していますが、本来血圧の臓器への負担を診るためには中心血圧を測定するべきと言われています。中心血圧が高いと、心臓にかかる負担が大きく、心臓病や高血圧によって悪化する病気(腎臓病や脳卒中など)などのリスクが高まると報告されています。
従来、中心血圧を測定するためには心臓カテーテル検査を行わなければいけませんでしたが、HEM-9000AI(オムロン社製)によって、手首と腕から簡便に測定することができるようになりました。まだこの検査機械は十分に普及していませんが、当クリニックでは、高血圧の臓器障害を早期に捉えるためにHEM-9000AIを導入しました。保険診療で検査ができますので、高血圧の臓器障害が気になる方はお申し出ください。
NHK・ためしてガッテンや日本テレビ・世界一受けたい授業でも中心血圧が紹介されています。
糖尿病は高血圧と同様に血管を傷める病気です。放置しておくと、高血圧同様、脳卒中や心臓病あるいは腎臓病に発展していくことが知られています。
この4つのどれかが当てはまる場合に糖尿病と診断されます。
古くから糖尿病には三大合併症(網膜症・神経症・腎症)の存在が知られています。この中で糖尿病網膜症は失明の原因の中で一番多く、糖尿病腎症は透析を必要とする慢性腎不全の原因の中で最も多い疾患です。どちらを防ぐのにも早期からの血糖値の是正が重要です。また、すでに合併症が出始めている方には、その進行を遅らせるためにも血糖値のコントロールは重要です。また、血糖値の上昇は動脈硬化を来たし、心臓疾患や脳卒中の発症を増加させるだけでなく、免疫機能を落とすことも知られています。痛くないからといって、放置してはいけません。
HBA1cの値を目標にします。正常値の範囲(5.8%)まで改善することが理想ですが、まずは6.5%以下を目標にします。達成可能な目標を立てることによって、無理なく糖尿病とお付き合いしていくことが重要です。